「目は心の窓」と言われますが、同時に「身体の窓」でもあります。なぜなら、目の血管は身体の中で唯一直接見ることができる血管として、眼以外の病気の診断にも非常に重要な情報を与えてくれるからです。
目の表面が乾燥することにより、目が疲れる、目が重い、目がごろごろする、充血する、角膜や結膜に傷が付くなどの症状をきたすのが「ドライアイ」です。ドライアイは、涙の量が少なかったり、涙の質に変化が生じて、目の表面の健康が保てなくなるものです。
液体コラーゲンプラグは、涙の流出口である涙点および涙小管にコラーゲンプラグを注入することにより、目の潤いを取り戻す治療法です。
治療は数分もあればOK!
シリコン(固体)プラグによる痛み、異物感、脱落もありません。
コンピュータを使う機会が増えるに従って、目の疲れを訴える方が増加しています。直接生命に関わる訳ではありませんが、そのまま放置しておくと、生活に大きな支障をきたす場合もあります。また、中高年の方には緑内障などの深刻な病気がその奥に潜んでいる可能性もあります。そのため、たかが眼の疲れと思わずに定期的に医師の診断を受ける事をお勧めします。
眼の疲れと言ってもその症状には、物がぼやける、眼の奥の痛み、乾燥感(ドライアイ)、涙が出やすくなる、と言った様々な物があります。また、眼の疲れが原因で頭痛、肩こり、眉間付近の痛み、めまい、吐き気、倦怠感などを引き起こす場合もあります。
その原因は人によって様々ですが、大きく分けて、目そのものに問題がある場合と、目以外の全身疾患の場合があります。目の問題には、近視、乱視、中高年の方の場合は緑内障や老眼などが挙げられ、全身疾患には、副鼻腔疾患(鼻の奥の疾患)、胃下垂、便秘、心臓や血管の障害、脳や神経の病気、心身症、神経症などが挙げられます。近年増加している眼精疲労の原因として、コンピュータのディスプレイを長く見すぎると言った環境的なものもあります。
これらの原因の中で、自分の目の疲れが何に因る物かを特定することはとても重要です。近視や乱視の方は眼鏡やコンタクトレンズの度が合っているかどうか、また、緑内障などの疾患の可能性も視野に入れる必要があります。特に、緑内障は40歳を過ぎると18人に一人と言われ決して無視はできません。また、コンピュータを長く使っていると、普段生活している時よりもまばたきの回数が無意識のうちに減ってしまいます。そのため、目の表面が乾燥し傷つきやすくなり、充血など様々な炎症疾患を引き起こします。
コンピュータを使う場合、ディスプレイを見上げるような姿勢になるために目が乾燥してしまいます。そのため、画面をやや見下ろすような位置に調整する事をお勧めします。もちろん、意識して瞬きの回数を増やして、部屋が乾燥しているときは加湿器などを使う必要もあります。また近視の方はめがねの度を多少弱めにすると、目への負担が減ります。
眼精疲労の治療には、まず、検査によって原因を調べ、原因疾患がある場合にはその治療をするとともに、目薬や飲み薬を使って目の疲れを和らげることも行います。また乾燥感を訴える方の中には、アレルギー性結膜炎を合併している方がかなりいます。そのような場合には、その治療を行うと乾燥感が解消されることがあります。
薬局にはたくさんの目薬が売られていますが、その成分には十分注意する必要があります。注意すべき成分として、主に防腐剤と血管収縮剤が挙げられます。防腐剤はドライアイをの症状を促進させてしまう可能性もあり、また血管を収縮させて充血を取り除く血管収縮剤は頻繁に使いすぎると逆に充血が治らなくなってしまう事があります。
視神経は視覚伝達や視力、視野など物を見るための重要な役割を担っています。そのためその障害は眼自体の異常なのか、眼以外の疾患が原因なのかを医師の治療の下、適切に判断する必要があります。
視神経の障害には大きく分けて、視神経炎と視神経症があります。視神経炎は炎症の視神経への波及で生じる多発性硬化症が原因の場合が多く、視神経症は片眼の場合は外傷や副鼻腔疾患による圧迫、糖尿病や高血圧を基礎疾患とする循環障害、両眼の場合は栄養障害、薬物、毒物などが原因として挙げられます。
突然見えにくくなったり、視野の中心に暗くて見えにくい部分ができたり、目が痛むなどのはっきりとした自覚症状が現れます。
治療にはステロイドなどの薬剤を用いる場合が多いですが、他の疾患を伴っている場合も多いため、このような症状が出た場合には速やかに医師に相談してください。
白内障は、眼の中の水晶体が濁って視力障害をきたす病気です。光が乱反射を起こしてまぶしく感じる、ものがダブってみえる、視力が低下するなどが主な症状です。薬物療法により進行を遅らせ、日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。最近では日帰り手術を受ける人も増えています。白内障の原因としては老化が大半を占めていますが、若い人の白内障も増えてきています。
「白内障はアトピー性皮膚炎や糖尿病に多く併発され、結膜剥離や眼底出血を伴う場合もあります。また、紫外線も白内障を誘発する原因のひとつであるといわれています。」
当クリニックでは、それぞれの患者の症状とニーズに合った治療法、手術法を示したり、提携病院へ紹介しています。本人の希望が最優先ですが、水晶体の中心部(核)が硬くなる核白内障が進行していたり、合併症を生じている場合には、早期に手術を行わないと危険なケースもあります。自分では分からないことも多いので、的確な診断とアドバイスをしてくれる医師との連携が一番大事なことではないでしょうか。
緑内障は、何らかの原因で視神経に障害が起き視野が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその原因の一つと言われています。
緑内障で最も重要なことは早期発見・早期治療です。一般的に緑内障では、自覚症状はほとんどないため、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりと進み、視野が少しずつ狭くなっていき、そのまま放っておくと失明にいたることもあります。当院では、視野異常に先立って検出される網膜の視神経線維層欠損・神経節細胞の変化をOCTによって発見し、さらに世界最高水準のOCTアンギオグラフィーによって最先端の研究で解明されてきた緑内障初期から低下している視神経乳頭の血流を測定し、早期治療に早期治療に役立てています。
急性の緑内障は時間が経つほど治りにくくなるので、発作が起きた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
緑内障の治療は、一般的にまず点眼治療を行います。点眼治療で眼圧が下がらない場合は、手術などの治療を行います。今の見え方を保つためには、適切な治療を続けることが重要です。毎日の点眼、定期的な受診をを忘れないようにしましょう。
40歳以上の18人に1人、70歳以上では10人に1人が緑内障にかかっています。
特に強度近視の方は、正常の人に比べて緑内障を発生する可能性が高くなっています。近視の人は眼科受診の際、緑内障の早期発見につながる検査も受けましょう。
網膜症は、本人も気づかないうちにじわじわと進行する質の悪い病気です。血糖値のコントロール状態により進行の具合は異なりますが、一般に糖尿病を発病して約10年で、患者のおよそ半分が網膜症を合併していると言われています。驚くべきことに、毎年3,000人もの人が糖尿病網膜症によって失明しており、現在わが国における成人の失明原因の第2位となっています。当院では、視力低下の原因となる糖尿病性黄斑症を早期にOCT、造影剤を用いないため安全なOCTアンギオグラフィーによって発見し治療に役立てています。糖尿病と診断されたら、「まさか、自分が…」というあいまい認識を捨て、適切な血糖コントロールを心がけ、必ず眼科を受診しましょう。
レーザー治療は早い時期であれば80%に有効です。定期的な精密検査を受けて的確な治療時期の決定が重要です。
加齢黄斑変性は老化現象が原因となって、網膜の黄斑という組織に異常が起こり、視野の中心部分(一番見たいところ)が見えづらくなってしまう疾患です。
加齢性の眼疾患は、老眼に症状が似ていたり自己症状がない疾患も多いですが、当院では、網膜のCTともいえる最新OCT、OCTアンギオグラフィーにより、3D画像で眼底の血管異常を把握でき早期発見・治療に役立てています。
以前からいくつかのデータをもとに、特定の栄養素が加齢黄斑変性に対し効果があるのではないかということが言われてきましたが、2001年、米国の国立眼研究所が約10年という歳月をかけ、抗酸化ビタミンと亜鉛の効果を科学的に実証しました。
高用量の抗酸化ビタミンと亜鉛を両方一緒にとった人たちは、両方とらなかった人たちよりも加齢黄斑変性の進行や視力低下のリスクが低いことが判明したのです。
※高用量の抗酸化ビタミンや亜鉛の摂取に際しては、まず医師に相談しましょう。